「自由って、なんだろう」 演劇企画集団Jr.5『サイハテ』が静かに、でも強く問いかけてくる
久しぶりの下北沢。
旦那さんと二人で、観劇に出かけました。
演劇企画集団Jr.5の第17回公演
『サイハテ』
Jr.5は結成時からずっと応援している演劇集団です。
老後の自由をテーマに描くSF作品と聞き、
私にとってはどこか身近な題材だなぁと思いながら劇場へ向かいました。
作・演出は小野健太郎さん。
作風はある程度イメージがつくだけに、楽しみもひとしお。
実際の舞台は、小野さんらしさが随所にちりばめられた作品に仕上がっていました。
正直に言うと、
脚本の力が、ぐっと上がっている。
1時間45分の芝居の中に、
私の中の「あるある」がぎゅっと詰まっていて、
思わず心の中で「うわ、すごいな」と呟いてしまう。
「自由ってなに」
「幸せってなに」
「家族ってなに」
そんな問いが、目の前で交わされる対話を通して、
こちらにまっすぐ投げかけられてきます。
芝居は、文字通り目の前で行われます。
小劇場ならではの距離感。
うっかり足を伸ばしたら、
役者さんを転倒させてしまいそうなくらい近い。
この距離で、
言葉や表情、呼吸まで感じながら観る芝居は、
やはり特別だなと思います。
Jr.5の舞台では、開場から開演まで、
役者がひとり舞台に立ち続ける演出が恒例。
舞台の空気を作り、観客をその世界の入口へと誘います。
今回の担当は、大嶽典子さん。
白い舞台の上で、白い服を着て、ただ座っている。
30分間、ほとんど微動だにしない。
開演前から
「身体がまったく揺れないって、すごいなぁ」と
すでに感動していました。
同時に、
この“動かなさ”は、どんな世界を表しているのだろう。
そんな想像を膨らませながら、開演を待ちます。
60歳で定年退職した人の中から、
選ばれた者だけが行くことのできる場所「サイハテ」。
公務員として40年勤めあげた主人公は、
定年を迎え、「サイハテ」へ行くための関所で手続きに臨みます。
自由を求めて向かうはずなのに、
その権利を得るためには、数えきれない規則が立ちはだかる。
価値観の多様性を受け入れることで生じる矛盾。
短いやりとりの中に、
考えなければならない課題が、これでもかというほど詰め込まれています。
しかも、それは変化球ではなく、直球で。
だからこそ、
多くの人に、ぜひ劇場で受け取ってほしい作品だと思いました。
その矛盾する言葉のキャッチボールをする職員を演じたのは、
Jr.5代表を務める奥田努さん。
こういう役が本当にお得意です。
絶妙な「間」が緊張感を生み、笑いにかえる。
ニヤニヤしながら観ている私。
奥田さん、裏切らない(笑)
観劇後、
一緒に写真も撮っていただきました。

舞台の熱をそのまま残した、
とてもいい時間でした。
その空気感も含めて、Jr.5という集団を、これからも応援したいと思います。
リフレッシュ休暇の締めくくりに、音楽と演劇を
実はこの日、
今回の下北沢での一日は、9連休したリフレッシュ休暇の最終日でした。
休暇のはじまりは、
赤坂でのジャズナイト。
仕事終わりに音楽に身を委ね、
日常から少し距離を取るところから、この休暇は始まりました。
そして最終日。
締めくくりに選んだのは、
下北沢の街を歩き、
カフェで気持ちを整えてからの観劇です。



劇前に立ち寄ったカフェには、
軽快なジャズが流れていました。
1980年開店の下北沢の名店「トロワ・シャンブル」さん。
コーヒーの味はもちろん、素敵な空間を味わうことができました。
これから舞台を観るという高揚感を、
少しだけ落ち着かせてくれる、
ちょうどいい“間”の時間でした。
休暇の初日は、
ジャズに身を預けて、頭と心をゆるめる時間。
休暇の最終日は、
音楽で整えた感覚を連れて、
演劇という「問いのある世界」に向き合う時間。
リフレッシュ休暇の終わりに、
こんな一日を過ごせたことを、
とても贅沢に感じました。
